災害が発生すると、総務担当者には従業員への安否確認、回答状況の集計、未回答者への連絡、経営層への報告など、多くの業務が集中します。
メールやExcelを使って手作業で対応する場合、確認や転記に時間がかかり、担当者自身が被災していると初動が遅れる可能性もあります。
この記事では、災害時に総務担当者が行う仕事や、安否確認システム導入前後の業務フロー、導入による仕事の変化について解説します。
この記事で分かること
- 災害時は安否確認・集計・報告業務が総務に集中する
- 手作業では確認漏れや転記ミスが起こりやすい
- 安否確認システムで配信・集計・再連絡を効率化できる
- 総務は情報整理より判断や支援対応に集中できる
- 複数管理者や代理担当者を決め、担当者不在にも備える
災害時に総務担当者が行う主な仕事
災害時の総務担当者には、従業員の安全を確認し、社内の意思決定に必要な情報を集約する役割があります。その具体的な内容について紹介します。
従業員へ安否確認を配信する
災害発生後は、従業員へ速やかに安否確認を配信します。
回答項目は多くしすぎず、次の情報を簡潔に確認できる内容にします。
- 本人の安全
- 出勤の可否
複数の連絡手段を用意し、通信障害が起きても回答できる体制を事前に整えることが重要です。
回答状況を集計して未回答者へ連絡する
回答が届き始めたら、回答済みと未回答の状況を集計します。
未回答者にはメールやシステムから再送し、必要に応じて電話や所属部署の管理者を通じて確認します。
確認漏れを防ぐため、連絡した時刻や対応状況も記録し、優先順位を決めて継続的に追跡することが大切です。
被害状況を整理して経営層へ報告する
集めた情報は、部署や被害状況ごとに整理して経営層へ報告します。
主な報告項目は次のとおりです。
- 安否確認の回答率
- 負傷者と未回答者の人数
- 出勤可能な従業員数
- 事業所や設備の被害状況
判断に必要な情報を簡潔にまとめ、支援や事業継続の方針決定へ迅速につなげることが重要です。
安否確認システム導入前の業務フロー
安否確認システムを導入していない場合、総務担当者は対応工程は以下のようなものになります。
メールを一斉送信して返信を確認する
災害発生後、総務担当者は従業員のメールアドレスを確認し、安否確認メールを一斉送信します。
その後、受信トレイを確認しながら、一件ずつ返信内容を判別します。
返信形式が統一されていないと、必要な情報を探す手間が増え、回答の見落としが発生する可能性もあります。
会社アドレスは会社以外で見られない可能性があり、またプライベートアドレスは会社として把握していない場合もあります。
回答内容をExcelへ転記して部署別に集計する
届いた回答は、従業員名や所属部署、けがの有無、出勤可否などの項目に分けてExcelへ転記します。
主な作業は次のとおりです。
- 回答者と未回答者の照合
- 部署別の人数集計
- あ被害状況の分類
手入力が多いため、転記ミスや集計漏れに注意が必要です。
また、状況が変わった場合は最新の情報に更新する必要があります。
未回答者を抽出して電話で再連絡する
返信状況と従業員名簿を照合し、未回答者を抽出したうえで電話による再連絡を行います。
災害時は電話がつながりにくく、何度も連絡するケースもあります。
対応履歴を残していないと、複数の担当者が同じ人へ連絡したり、確認が必要な従業員を見落としたりするおそれがあります。
手作業による安否確認業務の課題
手作業による安否確認で見えてくる課題は以下の通りです。
返信確認や転記に時間がかかる
総務担当者は、従業員から届くメールを一件ずつ確認し、氏名や所属部署、けがの有無、出勤可否などをExcelへ転記します。
回答形式が統一されていない場合は内容を読み取る手間も増え、集計が完了するまでに時間がかかります。
集計ミスや確認漏れが発生しやすい
手作業での集計では、氏名の入力間違いや回答内容の転記漏れ、集計範囲の指定ミスなどが起こる可能性があります。
また、返信メールがほかの連絡に埋もれると、回答済みの従業員を未回答と判断するなど、確認状況にずれが生じます。
総務担当者に作業負担が集中する
安否確認の配信、返信確認、転記、未回答者への再連絡、経営層への報告までを総務が担うと、災害直後に業務が集中します。
総務担当者自身も被災している可能性があり、少人数や特定の担当者だけに依存した体制では、初動対応が遅れるおそれがあります。
安否確認システム導入後の業務フロー
安否確認システムを導入する事で変化する業務フローについて紹介します。
安否確認を自動または一斉配信する
災害の発生を検知して安否確認を自動配信するほか、管理者の操作で対象者へ一斉配信できます。
事前に質問項目や対象部署を設定しておけば、緊急時に宛先を確認したり、メール本文を作成したりする手間を減らせます。
迅速な初動につながる点も大きなメリットです。
回答状況が自動集計されるので未回答者へ再送する
従業員から届いた回答は、システム上で自動的に集計されます。
管理画面では、次の情報を確認できます。
- 回答済み・未回答の人数
- けがや被害の状況
- 部署ごとの回答率
未回答者だけに再送できるため、対象者の抽出や個別連絡にかかる負担も軽減できます。
集計結果を確認して必要な対応を判断する
総務担当者は自動集計された結果を確認し、負傷者への支援や未回答者の所在確認、出勤可否の判断などを進めます。
手作業で情報を整理する時間が減るため、被害の大きい部署や対応を急ぐ従業員を把握しやすくなり、経営層への報告や事業継続の判断も迅速に行えます。
安否確認システム導入で総務の仕事はどう変わる?
安否確認システム導入による、総務担当者にとってのメリットを解説します。
配信・集計・再連絡の作業を効率化できる
安否確認の一斉配信や回答の集計、未回答者への再送をシステム上で行えるため、メールやExcelを使った作業を減らせます。
対象者の抽出や回答状況の照合も効率化され、確認漏れや重複連絡の防止につながります。
総務担当者は、限られた時間を緊急性の高い業務へ振り分けやすくなります。
情報整理ではなく判断や対応に集中できる
回答結果が自動で整理されることで、総務担当者は転記や集計ではなく、状況に応じた判断へ集中できます。
優先して確認したい情報は次のとおりです。
- 負傷者や支援が必要な従業員
- 未回答者の数
- 出勤可能な従業員
被害状況を早く把握し、必要な支援や勤務対応を進められます。
経営層への報告を迅速に行える
安否情報がリアルタイムで集計されるため、回答率や負傷者数、出勤可能者数などを迅速に経営層へ報告できます。
部署別の状況や未回答者数も把握しやすくなり、事業継続や休業、従業員支援に関する判断材料を早期に共有できます。
情報が更新された場合も、最新状況を反映した報告が可能です。
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総務担当者自身が被災する場合に備える方法
災害時には、安否確認を担当する総務担当者自身が負傷したり、出社できなかったりする可能性があります。
その場合の対応についても解説していきます。
複数の管理者が対応できる体制を整える
安否確認システムの操作や集計を一人だけに任せると、その担当者が被災した場合に対応が止まるおそれがあります。
複数の管理者へ権限を付与し、次の業務を分担できる状態にしておきます。
- 安否確認の配信
- 回答状況の確認
- 未回答者への再連絡
定期的な訓練で操作方法も共有することが大切です。
代理担当者と緊急時の対応手順を決める
担当者を複数名に設定することが重要です。
主担当者が対応できない場合に備え、代理担当者と引き継ぐ条件を事前に決めておきます。
配信の判断基準、経営層への報告先、未回答者への連絡方法などをマニュアルにまとめれば、担当者が不在でも迷わず対応できます。
代理順位も明確にし、誰が指揮を引き継ぐか共有しておくことが重要です。
自動配信を活用して初動の遅れを防ぐ
地震情報などと連動した自動配信を設定しておけば、総務担当者が操作できない状況でも安否確認を開始できます。
対象地域や震度、配信先を事前に登録することで、災害発生直後の初動を早められます。
ただし、誤配信を防ぐため、設定内容や連絡先を定期的に見直すことが必要です。
まとめ|安否確認システムで総務の負担を減らし迅速な初動対応につなげよう
災害時の総務担当者には、安否確認の配信、回答の集計、未回答者への連絡、経営層への報告など、多くの業務が集中します。
メールやExcelを使った手作業では時間がかかり、確認漏れや転記ミスが発生する可能性もあります。
安否確認システムを導入すれば、配信・集計・再送を効率化し、総務担当者は従業員の支援や事業継続に必要な判断へ集中できます。
担当者自身が被災する場合も想定し、複数の管理者や代理担当者を決め、自動配信を活用できる体制を整えておくことが大切です。



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